Sergio Mendes「TIMELESS」/ブラジル音楽がHIPHOPとR&Bに出会う♪

      2018/01/06

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【2006年リリース】

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ウィル・アイ・アム(Will i am)全面プロデュース!!

10代の頃からセルジオ・メンデス(Sergio Mendes)の大ファンで、また自身に強く影響を受けたウィルが、大量のアルバムを持ってメンデスに会いに行き、1曲コラボしたいとお願いしたそうです。できたのがブラックアイドピーズの3rdアルバム「エレファンク」の8曲目「セクシー」。セルジオ・メンデスがピアノを弾いて参加しています。

そこで、メンデスの新しいもの好きに火が付き、このアルバム「TIMELESS(タイムレス)」は誕生しました。

ゲスト以外のほとんどのボーカルは、メンデスと奥様のグラシーニャ・レポラーセ (Gracinha Leporac)が参加しています。

 

セルジオ・メンデスって?

1941年、ブラジル/リオデジャネイロの郊外ニテイロ生まれ。ジャズ好きピアニストとして活動を始めました。

1962年、NYカーネギーホールの著名コンサートにアントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトに交じって出演。ボサノヴァの存在が一気にアメリカに示されました。

その後、ボサノヴァとジャズを融合した音楽を作ったり、女性ヴォーカルとポップなメロディ、ブラジル音楽の滋養を自在に重ねた音楽性を持つブラジル’66を組んだりします。

スティービー・ワンダーやアース・ウィンド&ファイヤなどのブラジル色の取り込みは、彼がいたからこそです。

また、LAのフュージョン界への彼の影響も絶大で、リー・リトナーら、若手の頃にメンデスのグループに所属した奏者も少なくありません。

 

トラックリスト

1.マシュ・ケ・ナダ(feat.ブラック・アイド・ピーズ)

このアルバムのリード・シングル。ブラジル音楽がヒップホップと出会った瞬間です!!

原曲はブラジル’66のデビュー曲で、この曲が大ヒットしたおかげで、セルジオ・メンデスの名前は世界中に広まりました。作曲はジョルジ・ベンです。

この曲を最初に録音されたのがウィルが生まれる前だそうで、年配の方にもご存じかと思います。

“Mas que nada”・・・日本語で言うと「なんてこった・・・」みたいな感じです^^

 

2.ザット・ヒート(feat.エリカ・バドゥ&will.i.am オブ・ブラック・アイド・ピーズ)

ブラジル音楽がヒップホップだけでなく、さらにR&B界の女王エリカ・バドゥに出会いました♪

この「THAT HEAT」はブラジル’66のアルバム「マシュケナダ(Mas que nada)」に収録されていた「スロー・ホット・ウィンド」という曲がそのまま使われています。ヘンリー・マンシーニ(Henry Mancini)作曲です。

 

3.ベリンバウ/コンソラソン(feat.スティーヴィー・ワンダー&グラシーニャ・レポラーセ)

メンデスが70年代から親交のあった、スティービー・ワンダー(Stevie Wonder)のハーモニカがフィーチャーされてます。出だしのイントロ部分は「コンソラソン(Consolacao)」と言う曲です。この二人は新曲やポルトガル語の歌詞を送りあう仲だそうです^^

作曲はヴィニシウス・ジ・モライス/バーデン・パウエル(Vinicius de Moraes-Baden Powell)。パウエルの「ベリンバウ(Berimbau)」をグラシーニャ・レポラーセが歌っています。

 

4.ザ・フロッグ(feat.Qティップ&will.i.am オブ・ブラック・アイド・ピーズ)

ジョアンドナート作曲。ブラジル’66の3rdアルバム「ルック・アラウンド」に収録されています。

ブラジル’66ではもっとスピーディーな演奏ですが、ウィルの大好きなア・トライブ・コールド・クエストのラッパー兼プロデューサーのQティップが参加することで、とてもメロウな感じに仕上がっています。

 

5.レット・ミー(feat.ジル・スコット&will.i.am オブ・ブラック・アイド・ピーズ)

この曲はメンデスがブラジル’66を結成する前、ブラジル’65をやっていた時代のアルバムに収録されている曲です。バーデン・パウエル作曲。

作詞のノーマン・ギンブルはジョビンの「イパネマの娘」で英語詞で知られる著名な作詞家で、メンデスは’66時代に彼の書いた曲を取り上げています。

ネオ・フィリー・ソウル・シーンの歌姫であるジル・スコットが参加。

 

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6.バナナイラ(バナナ・トゥリー)(feat.ミスター・ヴェガス)

ジャマイカのダンスホールのアーティストであるミスター・ヴェガスの参加でレゲトン調の面白いリズムを繰り広げています。

 

7.サーフボード(feat.will.i.am オブ・ブラック・アイド・ピーズ)

アントニオ・カルロス・ジョビン作曲。

 

8.プリーズ・ベイビー・ドント(feat.ジョン・レジェンド)

ヒップホップ時代に端々いR&Bを送り出すシンガー、ジョン・レジェンドがクールな声で参加。

 

9.サンバ・オブ・ザ・ブレッシング(feat.マルセロ・デードイス)

バーデン・パウエル作曲。ヴィニシウス・ジ・モライスの曲をメンデスがピアノで弾いています。

ブラジル人ラッパーであるマルセロ・デードイスが参加。ブラジルの曲と新世代のブラジル人によるポルトガル語のラップを組み合わせて、完璧なブラジル音楽になりました。

 

10.タイムレス(feat.インディア・アリー)

ファーキー・ソウルの逸材、インディア・アリーが参加。

 

11.ルース・エンズ(feat.ジャスティン・ティンバーレイク)

人気アイドル系ボーカルグループのインシンク出身、ジャスティン・ティンバーレイクと元オーガナイズド・コンフュージョンの東海岸のラッパー、ファロア・モンチが参加。

ブラジル’66の3rdアルバム「ルック・アラウンド」に収録されている「ソー・メニー・スターズ」のイントロ部分がサンプリングされています。

 

12.フォー・ホップ(feat.ギンガ&マルセロ・デードイス)

セルジオのアルバムにはたびたび参加するギンガの曲で、9曲目で登場のマルセロ・デードイスが参加。

 

13.ラメント(feat.マオガニ・カルテット)

アントニオ・カルロス・ジョビン作曲。ブラジルの4人組みアコースティック・ギター奏者マオガニ・カルテッドによる演奏のインスト。メンデスのアルバムは必ずインストが入ってます。

 

14.ヘイ・ガール

ジョアン・ドナート作曲のボサノバをグラシーニャが歌っています。

 

15.イエス・イエス・ヨー(feat.ブラック・ソート・オブ・ザ・ルーツ、チャリ・ツ・ナ・オブ・ザ・ジュラシック5、デビ・ノバ、will.i.am オブ・ブラック・アイド・ピーズ

メンデスがグループを結成する前に出されたジャズインストアルバム「フェイバリット・シングス」の「カミン・ホーム・ベイビー」。ここでは曲に新しいピアノの音を追加してリメイクしています。

ブラック・ソート(R&B界の水先案内人的なザ・ルーツのラッパー)、チャリ・ツ・ナ(機知に富んだ表現で独自の道を行くラップチームのジュラシック5の一員)、デビ・ノバ(ブラジリアン・フュージョンから出てきた超美形シンガー)が参加。

 

まとめ

いかがでしたか?

メンデスとウィルの出会いによって、ブラジル音楽がラップやR&Bに出会い、新しいジャンルの音楽ができたかと思えば、後半はメンデスのボサノヴァ全開で懐かしさを感じ、最後はまたヒップホップで締めるという流れですかね。

半世紀以上前の曲が語り継がれて、現代風にアレンジされてることを思うと、やはり音楽って面白いですよね。

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